夢でもし会えたら…

先代のニャンコ先生が旅立って行ったのは、2年前の今日。
ニャンコ先生の思い出に耽りたくって、頭の中でニャンコ先生のモンタージュを作ろうとするんだけど、何故か上手くいかない…。
背中はうっすらとした茶虎で、お腹はまるでファーを巻き付けたみたいにふさふさの白い毛。尻尾はタイガースファンの叔父さんがいつも「ええなあ〜しっぽ頂戴?」って言うくらい綺麗な虎縞で凄く表情豊か…。特徴は分かっているのに、頭に描こうとするのに、それは実際私の目が記憶しているかつての先生ではなく、さっき見た写真の残像の様な気がする。

感触を思い出して、モンタージュを動かしてみようとする…。抱っこした重み、背中を撫でた手触り、肉球の感触…。思い出すのだけれど、それが果たして本当にニャンコ先生のものなのか、ひょっとするとすもものそれなのか、正直言って自信がない。

人の記憶ってなんて残酷なんだろう。
あんなに大好きだったのに、こんなに思い出したいのに、記憶が少しずつ薄れていき、姿や表情が曖昧にしか想い描けないなんて。いや、残酷なのは、すももが居ることでニャンコ先生の記憶が薄れていくことに気付かなかったわたしそのものなのかもしれない。

ふと、あることを思い出した。
そうだこの感触…これはきっと先生のものだ。
先生の尻尾はちょっと変わっていて、付け根がしっかり太いのに先端が先細りしているから、アルマジロ系というかカブトガニ系といおうか…それを根本から“むぎゅ〜”と掴んで撫でる様に先端まで手を滑らせると最後はするりと手のひらから尻尾が抜け落ちる…。この感触が大好きでよくやってたっけ(^_^)
その感触は何故か右ではなく、左手が覚えていた。きっと右手で仕事をし、膝に乗った先生のしっぽを左手で撫でてたからかなあー。
間違いようがない、すももには尻尾がないから…(すーたん怒らない怒らない)

今夜もし夢で会えたら…また尻尾触らせてね。
せめてこの記憶だけは忘れたくないから…。

2005.4.29